Vue.js は、ユーザーインターフェースを構築するための、プログレッシブJavaScriptフレームワークです。コアライブラリはビューレイヤーにフォーカスし、他のライブラリやプロジェクトと簡単に統合できる設計になっています。Vue.jsは、シンプルな応用から複雑なSPA(シングルページアプリケーション)まで、様々な規模のプロジェクトに適しています。
Vue.jsには以下のような特徴があります:
2023年現在、Vueの最新の安定版はVue 3です。Vue 3は、Vue 2から大幅に改良され、パフォーマンスが向上し、TypeScriptのサポートが強化されています。また、Composition APIという新しいAPIも導入されました。
Vue.jsには、コンポーネントを構築するための2つの主要なAPIがあります:
Options APIは、Vue 2から存在する従来のAPIで、コンポーネントのオプションオブジェクト(data, methods, computed など)を定義します。
export default {
data() {
return {
count: 0
}
},
methods: {
increment() {
this.count++
}
},
computed: {
doubleCount() {
return this.count * 2
}
}
}
Composition APIはVue 3で導入された新しいAPIで、関数ベースでより柔軟なコード構成が可能になります。関連する機能をグループ化し、コンポーネント間で再利用しやすい設計になっています。本教材では、この Composition API を使用して Vue.js を学習します。
import { ref, computed } from 'vue'
export default {
setup() {
const count = ref(0)
function increment() {
count.value++
}
const doubleCount = computed(() => count.value * 2)
return {
count,
increment,
doubleCount
}
}
}
さらに、Vue 3では<script setup>
構文が導入されており、より簡潔にComposition APIを記述できます:
<script setup>
import { ref, computed } from 'vue'
const count = ref(0)
function increment() {
count.value++
}
const doubleCount = computed(() => count.value * 2)
</script>
<template>
<button @click="increment">Count: {{ count }}</button>
<p>Double: {{ doubleCount }}</p>
</template>
Composition APIには以下のような利点があります:
Vue.jsには、アプリケーション開発を支援する豊富なエコシステムがあります:
Vue.jsは以下のようなプロジェクトに適しています:
Vue.jsは、シンプルでありながら強力なJavaScriptフレームワークで、コンポーネントベースのUI開発を効率的に行うことができます。本教材では、最新のVue 3とComposition APIを使用して、Vueの基本から応用までを学んでいきます。次の章では、Vue.jsの開発環境を構築し、最初のプロジェクトを作成します。